第371章 追い出す

福井斗真は目を細め、脅すような口調で言った。

「もし二度と、私の名前を使って何かを約束したと知ったら、絶対に許さないぞ。今のうちに、私が考えを変える前に、ここから出て行け」

「福井斗真、私はあなたの母親よ、母親なのよ!」

山田嵐はまるでそれしか言えないかのようだった。

ついに福井斗真は我慢の限界に達し、入口の警備員を呼んで山田嵐を追い出させた。警備員は左右から山田嵐を引きずり、まるで喋る柔らかい肉の塊を引きずるかのようだった。

山田嵐の叫び声が次第に消えていくと、安藤凪の表情はようやく和らいだ。そのとき、高橋雅子が近づいてきて好奇心いっぱいに尋ねた。

「凪ちゃん、あなたの姑...つまり今の女性は、いつ饅頭を連れ出したの?私、知らなかったわ」

安藤凪はポルトガルでの出来事を説明すると、高橋雅子は歯ぎしりするほど怒った。