「私に何かお手伝いできることがあるの?」小林桂子は驚いて安藤凪を見た。
安藤凪と高橋雅子は視線を交わし、最終的に安藤凪が自分の考えを口にした。「小林おばさん、私たちはずっと考えていたんですが、あなただけがこの条件に合っています。あなたが出馬してくれれば、一人で二人分の働きをしてくれるでしょう」
小林桂子は安藤凪の褒め言葉に少し有頂天になったが、心の中ではまだ自信がなかった。「これは、私にできるかしら。もし役に立てなくて、事態を台無しにしてしまったら、その娘さんの邪魔をすることになるんじゃないかしら。もう一度考え直して、適任者を探した方がいいんじゃない?」
「小林おばさん、謙遜しないでください。私はあなたならできると思います。あなたならきっとできます。これは水火の中から人を救う良いことですし、それに私が思うに、あなたは一目見ただけで、一夫当関万夫莫開(一人で関所を守り、万人も突破できない)という気質がありますよ」