安藤玄は目をこすりながら、二人の後ろを見て、「どうして二人だけなの?姉さんはまだ起きてないの?」と尋ねた。
彼はそう言いながら、横に体をずらして高橋雅子たちを中に入れた。雅子が入るとすぐに、藤原朝陽がすでに起きていて、ソファに座ってテレビを見ているのが見えた。
さっきまでまだあくびをしていた藤原夕子は、自分の兄を見た途端に目を輝かせ、下ろされるとすぐにぴょんぴょん跳ねながら兄のところへ走っていった。
「凪ちゃんは起きたわ」と雅子は空いた時間に安藤玄の質問に答えた。
「姉さんが起きたのになぜ来ないの?それに目を覚ましたとき、福井...姉さんの旦那さんも見当たらなかったけど、どこに行ったんだろう。そういえば、これからの予定は?」
安藤玄はそう言いながら、髪をかきむしって二人の子供の隣に座り、それぞれにお水を注いだ。雅子はさっきの修羅場を思い出し、言いにくそうな表情を浮かべた。