「夕子、この二人のお友達はあなたの仲良しなの?ホストとして、おばさんにお友達を紹介してくれるかしら?」安藤凪は笑顔で藤原夕子を見つめた。
藤原夕子はうなずき、安藤凪に降ろしてもらうと、二人の子供たちの間に立ち、まるで小さな大人のように、幼い声で安藤凪に友達を紹介した。
「きれいなお姉さん、この子たちは幼稚園で私の一番の友達なの。こっちは小川くん、こっちは美香ちゃん、二人とも私の大切な友達よ」
小川くんは丸々とした顔の男の子で、美香ちゃんはピンクのドレスを着た女の子だった。小川くんは少し緊張した様子で、美香ちゃんは安藤凪を見て、うっとりとした表情になり、藤原夕子の側に寄って小声で言った。
「夕子、あなたのお姉さんとっても綺麗ね」
「当たり前でしょ、誰のお姉さんだと思ってるの」藤原夕子は誇らしげに小さな胸を張った。安藤凪は横で苦笑いしながら、最後に口を開いた。
「私は夕子のおばさんよ。安藤おばさんって呼んでくれればいいわ。いつも幼稚園で夕子のことを見てくれてありがとう。今日は夕子の誕生日だから、思いっきり楽しんでね」
「はい、おばさん」二人の子供たちは声を揃えて、引き伸ばした調子で答えた。
安藤凪は子供たちを見ているだけで嬉しくなり、一時的に幼稚園での面倒なことを忘れることができた。招待された子供は二人だけだったが、別荘にはたくさんの人がいた。誕生会が始まり、使用人が六段重ねのプリンセスケーキを運んできたとき、その場にいた子供たちは目を丸くした。
饅頭ちゃんまでもが手を伸ばし、わあわあと言いながらケーキに触ろうとした。安藤凪は急いで饅頭ちゃんを抱き上げ、優しく彼の小さな鼻をつついた。
「饅頭、いい子にして。これは夕子お姉さんの誕生日ケーキよ。あなたの誕生日には、ママが六段重ねのウルトラマンケーキを用意してあげるからね!」
饅頭ちゃんはウルトラマンが何かわからなかったが、理解したかのように小さな頭を傾けて安藤凪の胸に寄りかかり、騒がなくなった。
「うちの饅頭はとっても良い子ね」高橋雅子がそう言った時、彼女と安藤玄の二人が旅の疲れを見せながら入ってきた。二人はそれぞれ藤原夕子へのプレゼントを持っていた。一人は2メートルの高さのテディベアのぬいぐるみ、もう一人はクリスタル蝶のヘアピンを用意していた。