朝、秋田結が目を覚ますと、三井美咲が午前2時に送ってきたメッセージを見た。
【姉さん、私にはできないことに気づいたの。】
【最初は、撮影に集中すれば彼のことを忘れられると思ったけど...実際には、この3年間で、彼への愛は骨の髄まで染みついてしまったわ。】
メッセージを読み終えて。
秋田結は眉をしかめた。
前回のことがあるので、彼女は三井美咲のメッセージに返信しなかった。
代わりに青雲音に向かう途中で、三井美咲に電話をかけた。
呼び出し音が2回鳴っただけで、三井美咲の声が聞こえてきた。【姉さん。】
「あなたのメッセージを見たわ」
助手席で、秋田結の声がさらりと響いた。
隣で運転している上野卓夫が彼女を一瞥してから、再び前方の道路状況に集中した。
「姉さん、私は今病院で伊藤おばさまの見舞いをしているの」