午後。
上野グループ社長室にて。
天満健司は調査したすべての資料を整理して、上野卓夫に渡した。
「社長、これが最近調査したすべての資料です。唯一確かなのは、秋田さんのお母さんが当時、彼女が救った男性と関係があったということです。」
上野卓夫は素早く内容に目を通した。
美しい眉が鋭く寄る。「まだ写真は見つからないのか?」
「はい、社長。」
天満健司は頭を下げて言った。「調査した情報に基づいて、当時彼らの写真を撮った写真館を探しましたが、もう存在していませんでした。」
数十年も経った今、見つけるのは本当に難しい。
「社長?」
しばらくして、天満健司は再び上野卓夫に声をかけた。
上野卓夫は顔を上げずに資料を見続けながら、「何だ」と言った。
「秋田さんのお母さんが亡くなって何年も経ちますが、彼女の写真は三井康隆のところにあるのではないでしょうか?」