第368章 彼女の腰が突然締め付けられた……

上野卓夫は確信する前に、あの男が秋田結の実の父親だとは軽々しく言えなかった。

「わかったわ」

秋田結の声はとても小さかった。

昨夜、母の写真を見た後、彼女のそれまであまり確固としていなかった心が、強固なものになった。

彼女は自分に言い聞かせた、必ず当時の真相を明らかにすると。

「当時のことは、私が調べるよ」

「いいえ」

秋田結の澄んだ瞳には彼のハンサムな眉が映っていた。「あなたはまず自分の仕事をして。昨日おばあさんにメールを送った人を、必ず見つけ出して」

「うん、必ず犯人を見つけ出すよ」

上野卓夫の声は淡々としていたが、彼女への真剣な約束だった。

10時まであと10分というとき、上野卓夫は三井グループに到着した。

三井忠誠が下で待っていた。「卓夫、父が昨日あなたと約束したって」