第412章 空気の中で、曖昧さが蔓延する…_3

「はい。」

オフィスに戻って。

上野卓夫はもう一度電話をかけ、帝都の人間に空港へ迎えに行くよう指示した。

もし誰かが秋田結を迎えに来ていたら、姿を現す必要はない。

ただ影から守るだけでいい。

秋田結と橋本智美子が保安検査を出ると、看板を持った人が近づいてきた。

礼儀正しく彼女たちに挨拶し、「秋田結さん、こんにちは。私の若旦那が迎えに来るよう言いつけました。」

「こんにちは。」

秋田結は3年前に帝都でこの男性に会ったことがあった。

湯川大助も彼に迎えに行くよう言ったと言っていた。

「若旦那は病院にいて、まず秋田さんたちをホテルにお送りするよう言いつけられました。正午までには、彼がホテルに向かうでしょう。」

車に乗り込むと、松本鳴は秋田結に告げた。

秋田結は自分が帝都に来た目的の一つを思い出した。