第5章 甘奈ちゃん登場2

「あなた知ってる？うちの推したちがどれだけ頑張ってるか！どうして彼を中傷するの……ふん！」

「明くん、私の推しと、そして推しを愛する私に謝る最後のチャンスをあげるわ」

「ふん、やだよっ」と、明と呼ばれた男の子が、ぷいっと顔をそらしながら言い返した。

西村绘里が騒いでいる小さな女の子が自分の愛娘だと気づいた時、顔が曇った。

甘奈の小さな口はさくらんぼのように可愛らしく魅力的で、大きな瞳、カワイイポニーテール、小さな足を振りながら、頭を上げて揺らし、まるで本当のことのように振る舞っていた。

これは……

西村绘里はすぐに恥ずかしさを感じ、急いで前に出て甘奈を抱きしめた。

甘奈の一番好きなアイドルはHeySayJumpとEXOで、熱狂的なファンとして、みんなが自分と同じように彼らを好きになってほしいと思っていた。

時々、人と議論することもあった。

この小さな女の子に対して、西村绘里は本当に疲れていた。

「甘奈、どうして小さい子をいじめるの！」

「ママ、明くんが、自分はHeySayJumpより格好いいって言ったの！うぅぅ、どうして私の推しをそんなに下げるの、推したちは彼よりずっと格好いいのに」

明くんが推しより格好いいなんて、それは推しが醜いって言ってるようなもの？許せない、絶対に許せない。

西村绘里：「……」

西村绘里は申し訳なさそうに隣の明くんを見た。同じく4、5歳の小さな男の子で、とても可愛らしい顔立ちだった。

「ごめんなさいね、うちの甘奈は、あの……熱狂的なファンなの！私はあなたがあの何とかj umpよりずっと格好いいと思うわ」

後半の言葉は、西村绘里がこっそり明くんの耳元で囁いたものだった。

甘奈は自分のママを見ると、まるで大きな不満を抱えているかのように、西村绘里にしがみついて離れなかった。

「推したちが一番格好いいの！彼はわかってない！ママ、彼はわかってない……」

明くんは、さっきまで高慢な小さなクジャクのような女の子が、突然とても悔しそうな表情になり、顔を真っ赤にしているのを見て驚いた。

「だって、甘奈はいつもあの子たちばっかり見てるんだもん。ぼくのことも見てほしいの！」

西村绘里：「……」

なんだか三角関係みたいな感じ？

西村绘里は頭皮がピリピリするほど困り、なだめるように言った：「うん、明くん、甘奈はこういう性格なの、明日には大丈夫よ、先に連れて帰るね」

「おばさん、また明日」

……

「ママ、うぅぅ、私の推しってすごく格好いいでしょ？」

「そうよ、そうよ！」

バスに乗ると、甘奈はまだしつこく聞いていた。

潤んだ大きな瞳にはまだ乾ききっていない涙の跡があり、全体的に愛らしく、思わず微笑んでしまうほどだった。

「ママ、明くんはクラスメイトだから、彼を嫌ってはいけないよね？」

「もちろんよ」

「わかった、じゃあ明日ロリポップを一つあげるね、実は彼も結構格好いいの、私の推しよりちょっとだけ劣るくらい」

西村绘里：「……」

「甘奈」

西村绘里は甘奈にすっかり心を温められ、唇を曲げて、この子の額にキスをした。

……

お年寄りが乗ってくると、甘奈はすぐに小さな手を伸ばして、お年寄りを自分の席に座らせた。

「おばあさん、ここに座ってください」

「お嬢ちゃんは本当に思いやりがあるね、とても可愛らしいわ」

「おばあさん、私たちのHeySayJumpを応援するのを忘れないでくださいね、彼らは本当に頑張っていて、歌もとても上手なんです、ファンとして、私はいつも頑張っています」

おばあさんが目を丸くして驚いている様子を見て、西村绘里は思わず口角を引きつらせた。

バスの車内は爆笑の渦に包まれ、西村绘里は思わず頭を下げた、少し恥ずかしかった。