第18章 黒田さんの過分なお褒めの言葉に感謝します(1)

空間の配色は三色を超えてはならない、これはすべてのプロのデザイナーが入門時に警告されることだ。

西村绘里がここから手をつけた理由は二つある。

まず、この問題は最も基本的なもので、もし間違えれば厳しく罰せられるべきだ。次に、西村绘里は矢崎凌空がデザイン図を見るときに、デザインのサンプルだけに注目し、隅にある配色に注意を払わないと確信していた。案の定、彼女は罠にはまった。

西村绘里は唇の端をかすかに上げ、顔を曇らせ激怒している矢崎凌空の様子を見ながら、さらに言葉を続けた。

「黒田グループでは明確に規定されていますよね、デザイナーは盗作や手抜きの見本を提出してはいけないと。課長、あなたは長く働いているから、仕事に麻痺して、手を抜くのも人情というものでしょうが...課長、黒田社長に謝れば、この件は過ぎ去るかもしれませんよ。結局のところ、あなたは課長で、黒田グループでしばらく働いているのですから。」