第21章 藤原海翔登場、フォローをお願いします(2)

西村绘里:"……"

西村绘里は顔を上げてデザイン部の入り口にいる村上秘書を見た。村上秘書の手には7、8個の包装箱があり、美しい瞳が一瞬驚いた表情を見せ、思わず唾を飲み込んだ。

周りの社員から歓声が上がった。黒田社長が社員のために午後のおやつを用意するなんて、初めてのことだった。

西村绘里がまだ立ち上がる前に、村上秘書は自ら包装箱を持って近づき、丁寧に言った:

「西村さん、これはあなたのです……」村上秘書はその後、一番上の薄い青色の包装箱を西村绘里に渡した。

西村绘里は朝からお腹がペコペコだったので、急いで言った:「ありがとうございます、村上秘書」

「どういたしまして」

村上秘書は西村绘里を見て、目尻に笑みを浮かべた。エマ、これは社長夫人だよ。

西村绘里は素早く包装箱を持って自分の席に戻り、開けてみると、なんと豪華な中華料理だった。

よかった、お腹いっぱいになれそう。

でも、午後のおやつなのに、なぜ会社は中華料理を注文したのだろう?これは明らかにランチだ……

しかも、これは青空ビルの高級レストランのテイクアウト容器で、とても高価なものだ。

一品一品が、一見普通に見えても、すべて名匠の作品で、一万円を超える価値があっても驚くことではない。

他の人々が村上秘書から次々と包装箱を受け取り、目ざとく西村绘里のものが自分たちと違うことに気づいて、思わず口を開いた。

「西村绘里、私たちはみんなピザなのに、なぜあなたのは中華料理なの?」

西村绘里:"……"

西村绘里は美しい瞳を見開いた。外見上は、自分の包装箱は他の人とほとんど同じに見えたのに。

周りの人々は全員が西村绘里の前の包装箱に注目し、特に矢崎凌空は何かを思い出したかのように、瞳に毒気を満たしていた。

この小さな賤人、きっと自分が出かけている隙に黒田社長に泣きついて、お昼ご飯を食べに行けなかったと言い訳して、可哀想な振りをして、黒田社長に……

ふん、黒田社長はいつも公平無私だったのに、今回はどうしてこんなことになったの?

……

村上秘書は皆の複雑な様子を見て、もちろんこれが黒田社長が特別に手配したものだとは言わなかった。

「さっきピザを注文した時に量が足りないことがわかったので、青空ビルのテイクアウトも一つ注文しました。西村さんはラッキーでしたね」