第30章 黒田社長の頭上に緑が見える、お気に入り登録をお願いします(1)

相手が黒田真一だったため、西村絵里は藤原海翔が去った後、一晩中眠れなかった。翌日、7時過ぎに目覚ましが鳴ると、急いで甘奈に服を着せ、それから台所で料理を始めた。

前日、矢崎凌空が意地悪をして昼食を食べさせてくれなかったので、西村絵里は特別に昼食を用意し、お弁当箱に入れた。さらに甘奈と自分のために豪華な朝食も準備した。

ちょうどお粥を茶碗に盛ったとき、ドアベルが鳴り、甘奈の柔らかい小さな体が素早く走っていった。

「ママ、ドア開けてくる」

「うん、いい子ね」

……

「甘奈ちゃん、おはよう」

甘奈は目の前の男性を見て、驚きと喜びの声を上げた:「副団長!」

西村絵里:「……」

どういう状況?

西村絵里が顔を上げると、藤原海翔が不機嫌そうな顔で腰を曲げ、甘奈を直接抱き上げて入ってきた。手には青空ビルの朝食の持ち帰りを提げていた。