相手が黒田真一だったため、西村絵里は藤原海翔が去った後、一晩中眠れなかった。翌日、7時過ぎに目覚ましが鳴ると、急いで甘奈に服を着せ、それから台所で料理を始めた。
前日、矢崎凌空が意地悪をして昼食を食べさせてくれなかったので、西村絵里は特別に昼食を用意し、お弁当箱に入れた。さらに甘奈と自分のために豪華な朝食も準備した。
ちょうどお粥を茶碗に盛ったとき、ドアベルが鳴り、甘奈の柔らかい小さな体が素早く走っていった。
「ママ、ドア開けてくる」
「うん、いい子ね」
……
「甘奈ちゃん、おはよう」
甘奈は目の前の男性を見て、驚きと喜びの声を上げた:「副団長!」
西村絵里:「……」
どういう状況?
西村絵里が顔を上げると、藤原海翔が不機嫌そうな顔で腰を曲げ、甘奈を直接抱き上げて入ってきた。手には青空ビルの朝食の持ち帰りを提げていた。