トーテムホールにて:
人々は目を見張りながら、黒田真一が西村絵里に高価なダイヤモンドリングをはめるのを見ていた。このような高価な神像の目は、一目見るだけでも大きな幸運とされているのに、まして身につけ、その持ち主になるとは。
西村絵里が小さな手を引っ込めようとしたが、次の瞬間、黒田真一は直接ダイヤモンドリングを指にはめた。
西村絵里:「……」
最初は、黒田真一が適当に用意したものだと思っていた。
まさか自分の左手薬指のサイズにぴったり合うとは思わなかった。
偶然なのか、それとも男は前もって準備していたのか?
西村絵里は美しい瞳を見開き、考え込んだ。黒田真一の表情は読み取りにくく、捉えどころがなかった。
「黒田奥さんの指は細くて、つけるととても美しいわね」
「そうね、やっぱり黒田社長は人を大事にして、お金を惜しまないわね」