第119章 黒田さんがかっこよすぎる一更(2)

司会者は咳払いをして、口を開いた。「五千万、一度目。五千万、二度目……他に入札がなければ……藤原三郎様が五千万で三度……」

「一億」

一億?

聞き慣れた声が耳元で響き、西村绘里は視線を自分の隣にいる香坂悠生に向けた。

香坂悠生も藤原海翔と一緒に馬鹿なことをするの?

香坂悠生の黒い瞳に決意の色が閃いた。绘里の作品である以上、何があっても自分が落札するつもりだった。

「藤原様、申し訳ありませんが、君子は人の愛するものを奪わないとはいえ、どうしても諦められません。結局、最初から考えれば、彼女は私の愛する人であり、それは変わっていないのです」

香坂悠生の言葉には意味が込められていた。君子は人の愛するものを奪わない。

西村绘里は以前から自分の愛する人であり、それは変わっていない。今、藤原海翔が自分の愛するものを奪おうとしている。