第151章 夫婦の情趣求首訂(23)

「はい、わかりました。それでは、お手数をおかけします。」

「いいえ、西村さん、あなたは建築設計だけでなく、寅虎のデザインも素晴らしいですね。」

「はい、ありがとうございます。」

西村绘里は村上秘書と簡単に話した後、電話を切った。

彼女はまだ少し呆然としていた……この黒田真一は……本当に怖い人だ。

……

西村绘里は自分の2LDKの家に戻ると、やっと本当に家に帰ってきたと感じた。黒田真一の大きな家では、いつも虚しさを感じていた。自分の小さな家では、温かさで満ちていた。

婚前契約書があまり役に立たないことは分かっていたが、西村绘里はそれでも契約書を丁寧に保管し、部屋を簡単に掃除してから、少し休憩した。

甘奈がいつ授業が終わるのか待って、自分で甘奈を迎えに行けるようにしていた。

……

昨夜一晩中帰ってこなかったので、西村绘里は午後にバスに乗って甘奈の幼稚園へ行き、小さな子を迎えに行く準備をした。

母親になってから、小さな子が自分の人生の中で非常に重要な存在になったと感じていた。

下校時間になり、しばらくすると、西村绘里は小さな子がバッグを背負い、かわいらしく門の方へ歩いてくるのを見た。

いつもと違うのは、普段は二つのおさげ髪をしていたのに、今日はただ一つに結んでいるだけだった。

しかも……あまり上手に結えていない。見たところ、明らかに藤原海翔の手によるものだ。藤原が不器用に甘奈の髪を結んでいる姿を想像すると、西村绘里は思わず噴き出して笑ってしまった。

「甘奈ちゃん……」

「ママ!」

朝、西村绘里を見かけなかった甘奈は心が傷ついていたが、今、目の前に西村绘里がいるのを見て、思わず興奮して駆け寄った。

「ママ……会いたかったよ、どこに行ってたの?」

「うーん、昨日の夜、ママはちょっと用事があって……ごめんね、朝に帰れなかったけど、ママが帰りたくなかったわけじゃないの。本当に忙しかったの、本当よ。」

西村绘里は甘奈の小さな顔に近づいて、思い切りキスをした。

小さな子の肌は本当に柔らかかった。

彼女はそれが大好きで……

だから、いつも我慢できずに近づいて何度もキスしてしまう。

甘奈は西村绘里にキスされて、嬉しそうに笑い続け、その笑顔は花のように美しかった。