二人の副団長?
どちらもかっこいい。
つまり、自分は実力で勝ったわけではなく、ただ顔がいいだけ?
これまで黒田真一はいつも実力で全てを勝ち取ってきたが、初めて純粋に容姿だけで勝利した。
しかも3歳の子供の審美眼によるものだ。
黒田真一は薄い唇が思わず上向きに曲がり、口角をすぼめた。
「うん、小さな子、君が私に言いたかった二つ目のことは何?」
「うーん、あとはママのことだよ、おじさん、私のママのボーイフレンドになってくれる?」
黒田真一:「……」
ボーイフレンド?
黒田真一は電話の向こうの甘奈の突拍子もない言葉を聞いて、唇をすぼめ、珍しく真剣な表情になった。
「甘奈、おじさんはもう妻がいるんだよ。」
うん、その妻は名ばかりで実体がなく、他人同然だが、否定できないのは、今や西村绘里が自分の心の中で多かれ少なかれ自分の生活全体に影響を与え始めていることだ。
甘奈は黒田真一の言葉を聞いて、とても困惑した様子で小さな唇を尖らせて言った。
「うーん、奥さんがいるなら、ガールフレンドはダメなの?私はただママにもっと友達ができればいいなって思ったの。ママは仙台市ではあまり友達がいなくて、おじさんだけが友達なんだよ。」
黒田真一:「……」
電話の向こうの少女の哀れな言葉を聞いて、黒田真一は考え直した。子供の世界は純粋だ。
妻や夫、ボーイフレンドやガールフレンドといった概念はそれほど多くない。
おそらく小さな子の心の中では、ボーイフレンドと友達は同じ概念なのだろう。
幼稚園で明くんと一緒にいるのと同じような感じだ。
黒田真一は薄い唇をすぼめ、少し考えてから、静かに言った。
「いいよ、僕はママの友達になれるよ。」
「わあ、おじさん、本当にかっこいいね……わあ、こんなにかっこいいおじさんが私のママのボーイフレンドになってくれるなんて……じゃあboyやEXOも私のボーイフレンドになれるってこと?」
「ははは、これからたくさんのボーイフレンドができるんだね……うれしいな。」
黒田真一:「……」
子供の世界は、本当に可愛らしい。
黒田真一は甘奈にすっかり笑わされ、小さな子の明るい笑い声が全てを明るくしていると感じた。
うん、自分の気分も不思議と良くなった。