第276章 腹部の帝王切開の傷跡1更(8)

「山口琴子は4年前から私のことを目障りに思っていたわ。私が黒田グループで働いていることはいずれバレるわ……そうなったら、山口琴子と矢崎凌空が私を追い出そうとするのを待つより、上を目指した方がいいわ。うん、少なくとも……私は今、黒田グループの仕事を失うわけにはいかないの」

少なくとも……

今、甘奈はまだ3歳で、本当に不安定な時期なのだ。

西村绘里は甘奈のためなら、どんなことにも妥協できるのだった。

黒田真一は目を細め、西村绘里の中に、自分の好きなものがたくさんあることに気づいた。

例えば、負けず嫌い。例えば、負けを恐れないこと。

黒田真一は薄い唇を引き締めて言った。「何でも可能性はある。今日、君は午後だけで8つのデザイン案を獲得したじゃないか」

「はい、でも……今日の午後は、あなたのおかげです、黒田社長。あなたが私を助けてくださるかどうか、お聞きしたいのですが」