第307章 お前は俺、黒田真一の妻だ2更(10)

「お前に手配させたんだ、コンサート後に、ボーイが貴賓室で待っている、全部準備できたか?」

「ご安心を……黒田社長、すべて準備万端です。」

「うむ。」

黒田真一は目を細め、甘奈にサプライズを用意しようとしていた……

……

黒田真一が会社にいない金曜日、西村絵里の気分は上々で、手元のデザイン図をすぐに仕上げた。

昼食に黒田真一の分を用意する必要がなかったので、西村絵里は直接社員食堂で食べ、食欲も絶好調だった。

夕方、幼稚園に甘奈を迎えに行くと、小さな女の子がもぐもぐと口を動かし、少し不機嫌そうにしていた。西村絵里は申し訳なさそうに小さな女の子を抱きしめた。

「もう、ママは昨日間違ったことをしたって分かってるわ、お姫様と一緒にいられなくて。でもね、ママは明日一日中お姫様と家で過ごせるし、それだけじゃなくて、明後日の夜はお姫様とコンサートに行くのよ。」