コンサートにて:
甘奈は男性を上手く誘惑した後、満足げにステージから降りてきた。
手にしたサングラスを振りながら、とても大物の雰囲気を漂わせていた。
黒田真一が手配した黒服のボディーガードはその様子を見て、口元が少し引きつった……
実は……
この小さな少女がサングラスを手に持っているとき、とてもかっこよかった。
サングラスは明らかに小さな少女の手の中で、より大きな効果を発揮していた。
自分の顔にかけるのは、本当に……まぶしさを防ぐためだけで、他に余計な目的はなかった。
黒服の男性はステージ下のファンが歓声を上げる様子を見て、口角をゆがめた……
なんだか……
ボーイのコンサートというより、甘奈さんの応援会のようだ。
……
甘奈がステージから降りると、すぐに黒服の男性が丁重に彼女を抱きかかえた。
「おじさん、すごく嬉しいよ、やっと私のアイドルに会えた、生きてる本物だよ」
黒服の男性:「……」
じゃあ、以前は死んでいたとでも?
黒服の男性は口元を少し引きつらせ、甘奈が真剣にサングラスを自分にかけ直すのを見た。
「おじさん、やっぱりあなたがかけるとかっこいいね、さっきはサングラスありがとう」
甘奈の分別があり、素直な様子を聞いて、黒服の男性はとても嬉しく思った。
うん、この甘奈さんは本当に可愛いな。
小さな少女は本当に面白い。
「私がすべきことです。甘奈さん、何か必要なことがあれば直接おっしゃってください。あなたは黒田さんの大切なお客様です」
甘奈は潤んだ大きな目をキラキラと黒服の男性に向け、唇をなめた。
「本当?」
「はい……」
「へへ、じゃあこうしよう……ちょうど一つお願いがあるの、おじさん、お願いお願いね」
黒服の男性:「……」
なぜか、自分はいつも不安を感じる、とても不安だ。
甘奈のにこにこした様子に対して、いつも……自分を待ち受ける危険があるように感じる。
黒服の男性は口元を引きつらせ、弱々しく口を開いた:「甘奈さん、どうぞご指示を」
「こういうことなの、説明するね。私ね、仙台市のボーイファンクラブの会長なんだよ」
黒服の男性:「……」
さっき彼女がステージに上がった時、一言も漏らさず、全部聞いていた。