第330章 黒田奥様は黒田さんの家に帰りたい1更(3)

この小さなロリータ……

恐らく男女の恋人関係を理解していないのだろう。

黒田真一は細い目を少し開き、視線を甘奈の後ろで顔色が少し青ざめた西村絵里に落とし、自ら小さなロリータを抱きしめた。

「うん。」

「わぁ、すごい……おじさん、ママとお友達になってくれる?そうしたら、ママは藤原おじさんだけじゃなくて、あなたも友達になれるよ……」

西村絵里:「……」

小さなロリータは自分のことを考えてくれているのだが、相手は黒田真一なのだ。

西村絵里は心の中で思わず冷や汗をかき、小さな手を握りしめた。

黒田真一の深い黒い瞳は西村絵里の小さな顔を見つめ、最初は甘奈を見るときは温かさがあったが、西村絵里を見たとき、それは沈んでいった。

黒田真一の口角がかすかに上がり、皮肉に満ちていた。

「うん、でも甘奈ちゃん、僕とママはもっと深い関係なんだ、単なる恋人関係じゃないんだよ。」

自分と西村絵里は夫婦だ。

彼女はなんと、この重大な事実を自分に隠していた。

黒田真一の黒い瞳には冷たさと怒りが渦巻いていた。

西村絵里は唇を噛み、黒田真一が後で自分と清算するつもりだと知っていた。

今はすべて甘奈がコンサートを見終わるのを待ってからだ。

甘奈は小さな口をもぐもぐさせながら、実際には黒田真一の言葉の意味がわからなかった。

でも感じたのは……

なんだか道理があるように思えた。

「へへ、おじさん、もっと深い関係ってなに?」

小さなロリータの輝く美しい瞳に向かって、黒田真一は視線を暗くし、大きな手で甘奈を抱きしめ、無造作に口を開いた。

「うーん……証明書に関係があって……法律で保護されているものだよ、わかった?」

「わぁ……すごいね……おじさん最高!」

黒田真一は目を細めた……

腕の中の小さなロリータを見つめながら、実際、正直に言えば、もし甘奈が西村絵里の娘でなければ……

それなら……自分にとって、もっと良かっただろう。

男は、皆独占欲を持っている。

自分も例外ではない……

自分は偏執的なほどではないが……西村絵里の過去のことを気にしている。

西村絵里には以前男がいた……自分がそれを知ったとき、激怒した。

大いに怒り狂った……

しかし後で冷静になると、過去のことは、もう戻って介入することはできない。