第346章 夫婦の間でする事2更(9)

ある事は……本当に避けられないものだ。

西村絵里は世間知らずの子供ではなく、黒田真一がある種の欲求を持つことを理解していた。一度や二度は我慢できるが……

しかし、ずっと自分のために抑制し続けることは決してできないだろう。

早かれ遅かれ起こることだ。

そう考えると……西村絵里は深呼吸して、思い切って抵抗をやめた。

黒田真一は西村絵里が抵抗しない様子を満足げに見つめ、薄い唇がかすかに上がった。

西村絵里は目の前の男性をじっと見つめ……かすれた声で言った。

「黒田真一……私を手に入れたら、もう……私を解放してくれる?」

ある言葉がある、男性にとって女性とは、征服の対象だと。

もし……

自分が黒田真一に征服されたら……

手に入れたら、大切にしなくなるのではないか。

黒田真一はその言葉を聞いて口角に薄い笑みを浮かべ、不思議そうに自分の下にいる女性を見つめた……深い意味を込めて。