とても心地よい音色だった……
黒田真一は音楽的センスが優れていた。
西村絵里は目を伏せた……
いつの間にか、男性の磁性のある歌声の中で、深く眠りについていた。
黒田真一の前では、無防備で警戒心を解いていた……
西村絵里にとっては極めて珍しいことだった……
……
一曲歌い終わると、黒田真一は母娘が二人とも眠っていることに気づいた。
さすが母娘、寝姿も全く同じで、体を丸めて、とても可愛らしかった。
黒田真一は目を細め、自ら甘奈と西村絵里の薄い掛け布団をかけ直した。
甘奈は最初、黒田真一に甘えていたが、熟睡すると、思わず西村絵里の胸元に寄り添い、特に女性の胸に顔を埋めていた。
おそらく小さい頃の授乳の習慣からだろう。
黒田真一はそれを見て、薄い唇がかすかに微笑んだ。
かわいい子だ……とても甘えん坊だ。