第382章 ママはパパの彼女2更(12)

「うん、パパが一番よ……パパ大好き」

甘奈は興奮して黒田真一の胸に擦り寄っていた。初めての見知らぬ環境で、多かれ少なかれ緊張していた。

「大丈夫だよ、ここにあるものは何でも遊んでいいんだ……後で誰かがおもちゃや食べ物を持ってきてくれるよ……」

「やったー」

村上秘書はつばを飲み込み、弱々しく尋ねた。「黒田社長、これは……」

「見ての通りだ」

村上秘書:「……」

社長のお子さん?

ママ……

午前中に西村絵里が甘奈を抱いていたことと合わせて考えると。

村上秘書は愕然とした。この甘奈は西村絵里の子供なのか?

一体何が起きているのだろう。

村上秘書はますます混乱した。

「社長、まず下に通達してから、甘奈さんをお連れします」

「ああ」

……

黒田真一の午後のスケジュールは非常に忙しかった。甘奈を村上秘書に適切に預けた後、すぐに会議室へと向かった。

オフィスを出るとき、小さなロリータの銀の鈴のような声が背後から聞こえてきた。

「村上おじさん、チームに入りませんか?」

黒田真一は満足げに口角を上げた。自分の小さなロリータは、これまで一度も自分を失望させたことがなかった。

本当に愛らしくてたまらない。

……

デザイン部:

西村絵里がデザイン部に戻ったとき、他の人たちの探るような視線が自分に向けられているのを感じることができた。

西村絵里は多くを語らず、手元の仕事を続け、パソコンを開いて確認した。

ネット上には自分と甘奈、藤原海翔に関する情報は既になくなっていた。

西村絵里は少し安堵のため息をついた。今はただ、この騒動が早く収まることを願うばかりだった。

今日、自分と藤原海翔、甘奈のスキャンダルに続いて、2番目にランクインしていたのは、甘奈がボーイのコンサートで大活躍した動画と写真だった。

写真は小さなロリータがグループの3人に近づき、それぞれにキスをする場面だった。

西村絵里はますます混乱した。

自分の小さなロリータは、本当に有名になってしまった。

ニュースの下には、ネットユーザーたちが「これは誰の子供なんだろう、なんてかわいいんだ」と感嘆していた。

多くのネットユーザーが、ボーイグループはいっそのこと甘奈のものになればいいと言っていた。