第381章 ママはパパの彼女2更(11)

「うん……彼女の口は甘い。」

西村絵里：「……」

「ママの口が一番甘いよ、ママが言ってたよ、礼儀正しくして、ちょっと甘い言葉を使うんだって。」

西村絵里：「……」

子供の世界と比べると、大人の世界はなんて汚れているんだろうと思わずにはいられなかった。

明らかに……黒田真一の言葉はそういう意味ではなかった。

西村絵里は咳払いをした。甘奈の澄んだ水のような大きな瞳を見ていられなかった。

「あの……私、先に仕事に行くね、甘奈ちゃん、またね。」

「うん、ママにキスして……」

西村絵里：「……」

さっき黒田真一にキスされたばかりだった。

西村絵里は元々唇にキスするつもりだったが、頬に変えた。甘奈は願い通り西村絵里の頬にちゅっとキスした。

「ママ、またね。」

「うん……」

西村絵里はエレベーターのボタンを押した後、後ろにいる黒田真一を見る勇気がなく、ほとんど逃げるようにエレベーターを出た。背後からは、黒田真一の楽しそうな低い笑い声が聞こえていた。