西村絵里は急いでドアを押し開けた。
やはり……
以前から既に内装が整っていた部屋が再び改装され始め、壁はピンク色に塗られ、まさに王女の部屋のようだった。
西村絵里は口元を引き締めた……
前回、黒田真一が甘奈のために別の部屋を用意すると言ったのは、ただの口約束ではなかったのだ。
どうやら、昨日自分と黒田真一が仕事に行っている間に、既に人を派遣して準備していたようだ。
西村絵里は唇を噛んだ……
黒田真一の甘奈に対する態度は、本当に悪くない。
実際、わざわざ子供部屋に改造する必要はなく、あの部屋は既に十分良かったのだ。
今回は甘奈のためにオーダーメイドで、新しいデザインにしたということだ。
……
西村絵里は静かに部屋から退出し、寝室へと向かった。
寝室に入ると、まだ時間が来ていないため、父娘はぐっすりと眠っていた。
甘奈はさらに黒田真一の胸に顔をうずめた。
西村絵里は仕方なく口元を緩め、自ら前に進み、小さな手で小さな女の子の鼻先をつまんだ。しばらくすると、小さな女の子が眉をひそめ、とても悔しそうな表情を見せた。
「うぅ……人の睡眠を邪魔しないでよ、もう少し寝かせてよぉ」
甘奈が動き出すと、黒田真一はすぐに目を覚ました。
すぐに胸元が湿っていることに気づき、視線を抱きかかえている小さな女の子に落とし、薄い唇を引き締めた。
甘奈の起床時の機嫌は比較的悪く、特に起こされた時は、うっすらと目を開け、目の前の黒田真一を見て、小さな口をもぐもぐさせた。
「パパ……起きなくてもいい?うぅ、もう少し寝よう……」
「ん?」
「パパ!さっき私の鼻をつまんだの、パパでしょ?」
「ん?」
「うぅ……パパは意地悪だよ……そんなことしないでよ、私はただ静かな美少女でいたいだけなのに」
西村絵里は小さな女の子の言葉に、再び笑うか泣くかわからない気持ちになった。
黒田真一もしばらく理解できなかったが、西村絵里が既に身支度を整えて自分の横に立っているのを見て、大体の状況を理解した。
なるほど、西村絵里は自分に罪をなすりつけたのだ。
黒田真一は仕方なく口元を緩め、小さな女の子を抱きしめた。
「いい子だ……」
「うぅ、起きたくないよぉ」
甘奈は非常に悔しそうに、黒田真一の胸ですすり泣いた。