第417章 夫婦同心その利は金を断つ2更(4)

「うーん……私もそう思っていたんです。だから、西村さん、あなたは本当に幸運ですね。」

西村绘里:「……」

これが自分の幸運と何か直接的な関係があるのだろうか?

西村绘里はしばらくの間、村上秘書の言葉の意味が理解できなかったが、村上秘書が続けて補足するのを聞いた。

「現在、カーログループは日系人が経営するイタリア唯一の大財閥です。老貴族は子供がいなかったため、この広大な財産をすべて彼に残したのです。結局のところ、もしこの救世主が現れなければ、彼はとっくに破産して物乞いをしていたでしょう。この救世主がカーロという大財閥を率いているのですから、イタリア語を話せないわけがないでしょう?」

「なるほど。」

西村绘里は頷いたが、これが黒田真一がイタリア語を話せることとどう関係があるのだろうか?

西村绘里は目の前の村上秘書に探るような視線を向け……しばらく考えた。

突然理解した。

なるほど……

西村绘里の美しい瞳には抑えきれない驚きが浮かんでいた。

黒田真一……が実はカーログループの現在の舵取りだったのか?

あの奇跡を起こした日系の男性……

西村绘里はゴクリと唾を飲み込んだ。約9年前ということは、カーログループを救ったのは黒田真一が20代前半の頃のことだったのか?

西村绘里は頭が混乱していた。

わずか20歳で、ビジネス界の伝説を作り上げたというのか?

西村绘里の口元の笑みが凍りついた……しばらくして、やっとのことで口を開いた。

「村上秘書……最初から黒田真一がこんなに裕福だと教えてくれていたら、私はたかが百万円なんて要求しなかったのに。」

この黒田グループは仙台市の龍頭企業であり、国内でも指折りの存在だった。

以前、西村绘里は黒田真一が国と対抗できるほど裕福だと思っていたが、まさか……彼が今カーログループの舵取りでもあるとは……この資産価値、黒田真一はまさに業界を見下ろせる存在だ。

なるほど、黒田真一はこれほど野心的だったのか。彼の重点は黒田グループではなく、カーロにあったのだ。

今、西村绘里には理解できた。なぜ黒田真一がよくイタリアに出張に行くのか。おそらく両方を兼任しているのだろう。

村上秘書:「……」

さすが西村さんだ、と村上秘書は口角を引きつらせた。ああ、自分のボスは控えめすぎるのだ。