第470章 旦那様、口を開けて2更(10)

……

西村絵里はリビングに入ると、その豪華さに思わず感嘆した。

あちこちに高価な油絵やアート作品が見られ……

ヨーロッパ14世紀の雰囲気が一気に押し寄せてくる。

西村絵里は唇を軽く噛み、初めてこのような場所に来て、多少の違和感を覚えながら、小さな手で眉間を軽くさすった。そのときゲイル社長が熱心に口を開いた。

「黒田さん、黒田奥さん、どうぞお座りください」

「はい……」

西村絵里は黒田真一の隣に座った。甘奈は今、黒田真一にべったりとくっついていて、食事の時も黒田真一の隣に座りたがった。

ゲイル社長は子供用の椅子を用意させたので、小さな女の子は黒田真一の隣に座った。

西村絵里はむしろ気楽に感じた。子供に食事を食べさせるのは、いつも面倒なことだった。

「黒田さんと奥さまのお好みがわからなかったので、簡単に用意しました。これは黒トリュフで、特別にフランス中南部から調達させたものです……」