西村絵里は顔を赤らめた。
黒田真一……昨日、自分を愛していると言ってから……
どうやら……さらに人の心を惑わせるようになった。
何かが、静かに変質し、西村絵里はそれを捉える間もなかった。
西村絵里は黒田真一に手を引かれてリビングに入った。リビングの中は、すべて象牙色の大理石のテーブルで、装飾スタイルもヨーロピアンスタイルだった。
壁には、すべて14世紀ヨーロッパの古典的な絵画が飾られていた。
さらに……
いくつかは本物の原画だった。
今や本物の原画は価値が計り知れないものとなっている。
使用人たちは丁重に精巧なランチと花を運んできた。
城全体を新しく装飾していた。
西村絵里は柔らかな白いドレスを着て、黒田真一は白いカジュアルウェアを着ていた。二人が城の中央に立つと、さらに絵のような美しさが際立った。
使用人たちは美男美女が並んで立つ光景に魅了された。
本当に美しい……まるで壁画のように柔らかな美しさだった。
以前から、黒田真一は油絵から抜け出してきたような男だと思われていた。
しかし、噂の黒田奥さんもとても洗練されていることに驚いた。
そして小さな甘奈ちゃんは、まるで精巧な人形のよう……
この三人家族は、美貌が天を衝くほどだ。
……
西村絵里は甘奈が一人で二階を走り回ることを心配して、思わず二階の方向へ歩いていった。
ちょうど二階の階段口に着いたとき、小さな女の子の喜びに満ちた叫び声が聞こえた。
「わぁ……すごく綺麗!」
西村絵里は美しい瞳を見開き、急いで声のする方へ向かった。そこには、小さな女の子が唇を手で覆い、驚きの表情でプリンセスルームの前に立っていた。
西村絵里は目を見開いた……
自分が小さい頃はずっとプリンセスルームに住んでいたので、プリンセスルームについてはある程度理解していた。
でも、こんなにも美しく素晴らしいプリンセスルームがデザインされるとは……
思ってもみなかった。
天井全体が海の青さで覆われ、人魚姫の手描きの絵も添えられていた。
広々とした部屋は、かつて自分と甘奈が住んでいた2LDKよりも広かった。
柔らかいカーペットの上には、女の子が好きそうなおもちゃがたくさん置かれていた。
小さな甘奈が驚きの声を上げるのも無理はない。西村絵里も初めて見て、大いに感動した。