西村絵里は、準備が早すぎるんじゃないかと言いたかった。
でも……
それでも、とても気に入ってしまった。
甘奈の部屋は薄い青色とピンク色で、女の子らしい雰囲気が十分に出ている。
しかし、この部屋は明らかに小さな男の子のために準備されたものだった。
部屋の中は少し暗めの色の装飾が施されていて……
そして……女の子のお人形とは違って。
この部屋には、大きな本棚全体に、リアルな玩具の銃や戦車、パズルなどが並んでいた。
西村絵里は思わず笑ってしまった。
黒田真一……
彼もなかなか頑張っているな。
自分と彼はまだそういう関係でもないのに、弟の部屋はもう前もって準備されていた。
西村絵里が嫌そうな顔をしていると、黒田真一に直接抱きしめられた。
「本当は一時的にまだ君と甘奈に見せるつもりはなかったんだ。でも見てしまったからには……どう?気に入った?これは息子のために準備したんだ、気に入った?」