第500章 パパとママが残業1更(1)

西村絵里は、準備が早すぎるんじゃないかと言いたかった。

でも……

それでも、とても気に入ってしまった。

甘奈の部屋は薄い青色とピンク色で、女の子らしい雰囲気が十分に出ている。

しかし、この部屋は明らかに小さな男の子のために準備されたものだった。

部屋の中は少し暗めの色の装飾が施されていて……

そして……女の子のお人形とは違って。

この部屋には、大きな本棚全体に、リアルな玩具の銃や戦車、パズルなどが並んでいた。

西村絵里は思わず笑ってしまった。

黒田真一……

彼もなかなか頑張っているな。

自分と彼はまだそういう関係でもないのに、弟の部屋はもう前もって準備されていた。

西村絵里が嫌そうな顔をしていると、黒田真一に直接抱きしめられた。

「本当は一時的にまだ君と甘奈に見せるつもりはなかったんだ。でも見てしまったからには……どう?気に入った?これは息子のために準備したんだ、気に入った?」

西村絵里:「……」

息子だの何だの、黒田真一はなんてあけすけに言うんだろう。

西村絵里の顔は真っ赤に染まった。

黒田真一が堂々としていればいるほど、自分は少し心もとなくなった。

これは……弟はいつ来るの……

自分はまだ心の準備が全くできていない。

まさか、黒田真一が子供部屋まで準備しているとは思わなかった。

「あなた……今はまだ早すぎるんじゃない?黒田真一、私はまだあなたと弟を作ることに同意してないわ。」

「僕が計画したことは、必ず実現するよ。時間の問題だけさ。」

黒田真一はいつもそのように全てを確信している人で、自分の好きな女性や欲しいものに対しては、どんな代償を払ってでも手に入れようとする。

西村絵里:「……」

黒田真一、こんなに傲慢なこと、自分でわかっているのかしら?

西村絵里は黒田真一に対して心の中で嫌悪感でいっぱいだった。

しかし、男性がこれほど自信に満ち、全てを確信している姿は、見ていると……心にどこか異なる感情が湧いてくる。

女性は……みな強引な男性が好きなものだ。

個性的で。

無敵で、王者の風格を持つような、これらの言葉は黒田真一の身に完璧に体現されていた。

甘奈は自分の王女の部屋から走り出てきて、黒田真一と西村絵里が弟の部屋にいるのを見て、近づいて興奮した様子で尋ねた。