第514章 夜勤が足りなければ早番で続ける2更(7)

西村絵里は黒田真一に抱えられて浴室に連れて行かれ、彼に身体を清めてもらい、その後、体にフィットするロングドレスに着替えた。

足元には平底の靴を履いていた。

仙台市はちょうど冬だったので、黒田真一は母娘のために厚手のコートを用意していた。

三人家族は昼食を済ませた後、島の飛行機に乗って直接国に帰った。

城の使用人たちは整然と並び、玄関で見送っていた……

「黒田さん、黒田奥さん、甘奈さん、さようなら。」

小さな女の子はローマで過ごした数日間で、多少英語を話せるようになっており、さよならを言う時には手足を動かして、とても興奮していた。

西村絵里は両脚の間と腰に強い痛みを感じていたが、それでも薄い笑みを浮かべ、優しい声で言った。

「皆さん、お世話になりました。」

黒田真一は眉を上げ、王者の威厳を漂わせていた。