魅力クラブの個室内:
ビリヤード台の状況が緊迫するにつれ、個室内の雰囲気も急速に緊張感を増していった。
景山瑞樹は村上念美に急所を突かれても怒らなかった。藤原景裕が気に入った女性は、やはり愚かではない。
ただ、女性が賢すぎるのは良いことではない。
特に美しく、魅力的で、さらに賢い女性は、より一層犯罪を誘発するものだ。
景山瑞樹は村上念美の言葉に応えず、妖艶な視線をビリヤード台に落とし、遊び心たっぷりに不良っぽい態度を見せた。
「私の番だ」
「ええ」
重要な一球だ。今はトリックショットの局面だ。
通常、角度を計算し、力加減を調整して、角度を利用し、手球を的球に当てて袋に入れる必要がある。
村上念美の心は緊張し始めた。実際、現在の状況は彼女の予想を超えていた。
景山瑞樹は片手でプレイしているにもかかわらず、バランス感覚は依然として優れており、自分と互角の戦いをしていた。勝つためには、景山瑞樹のミスに頼るしかない。
実際、二人が対戦を始めてから、男性はほぼミスをしていなかった。
そして自分は、すでにミスの瀬戸際にいた。何年もビリヤードに触れていなかったのだから。
景山瑞樹は鋭い目でビリヤード台のレイアウトを観察し、その後、悪戯っぽく石蝋でキューを擦り、緊張している村上念美をちらりと見て、口元の笑みをさらに不良っぽく深めた。
「村上三女さん、もし私がこの球を決めたら、残りの一球は簡単だから、あなたの負けだ」
村上念美:「……」
村上念美は景山瑞樹の不良っぽい言葉を聞き、唇を噛み、緊張した体をリラックスさせようと努め、淡々と言った。
「賭けは賭けです。景山様の治療費については、私が全力で負担します」
村上念美のこの言葉に、景山瑞樹の表情がわずかに変わった。
この女は、自分を何だと思っているのか。
明らかに自分の意図を理解しているのに、わざと曲解している。
景山瑞樹は黒い瞳を細め、不良っぽい笑みを浮かべ、唇の端を少し上げた。
「景山家は私に家系を継がせようとしているんだ。村上三女さんが単に金銭で賠償するだけなら、簡単すぎるじゃないか?当時あなたのせいで私が病院に行ったとき、学校中で私が不能だとか、下が機能しないとか噂が広まったんだぞ」
最後の四文字を、景山瑞樹はわざと強調した。
村上念美:「……」