村上念美とレイアが魅力クラブに到着した時、景山瑞樹はすでにクラブ全体を貸し切っており、部外者立ち入り禁止となっていた。
景山瑞樹の大崎市での横暴さは有名で、村上念美は特に驚かなかった。
村上念美は協力事項について景山瑞樹と連絡を取る必要があると言い訳し、やっとレイアと一緒に中に入ることができた。
廊下を通り抜け、唯一のVIP個室に入ると、景山瑞樹が片手でキューを支え、もう一方の手でワイングラスの中の赤ワインを味わっていた。非常にくつろいだ様子で、淡い紫色のスーツを着こなし、男の妖艶さを引き立てていた。胸元のネクタイは緩められ、引き締まった鎖骨が露わになり、男の色気が漂っていた。
村上念美は細い目を細めた。型にはまらず、個性を解き放った景山瑞樹は本当に妖艶だった。
3年前と比べて、男はより洗練されていたが、変わらないのは男の不良っぽさだった。
「景山様……」
村上念美が先に声をかけたが、景山瑞樹に近づく前に、彼の側近に阻まれた。
「景山様がエッセンシャルオイルの原料をお持ちだと聞きました。価格をお聞かせください。」
単刀直入に、有名人は暗喩を使わない。村上念美は景山瑞樹と回りくどい話をするつもりはなかった。
景山瑞樹はその言葉を聞いて鋭い黒い瞳を細め、目の前のビリヤード台から視線を移し、体を回して、村上念美を面白そうに見た。手を上げると、村上念美の前にいたボディーガードは察して下がった。
3年ぶりに見る女性は、より洗練されていた。
黒いノーカラーのジャケットに白いシースルーのインナー、細い腰は片手で掴めそうなほど、完璧なくびれがあった。
女性の下半身のミニスカートは、村上念美のお尻を非常にセクシーに強調していた。
村上念美の体型は最高とは言えないかもしれないが、間違いなく最も味わい深いものだった。
このような魅力的な女性は、自分のものにするか、さもなければ…彼女を破滅させるかだ。
これほど歯がゆいほど憎い女性は今までいなかった。
村上念美、久しぶりだな。
……
「これは名高い村上三女さんですか……」
景山瑞樹の言葉は面白がるような調子で、その後大きな手でトレイからワイングラスを取り、村上念美に差し出した。
村上念美:「……」
やはり厄介な男だ。