村上念美は自分と藤原景裕が行き詰まりに陥ったように感じていた。
二人は今、同じベッドで寝ている夫婦なのに、体は近くにあるのに、心は遠く離れているようだった。
……
村上念美は夜中まで悶々として、やっと寝付くことができた。翌朝目を覚ますと、藤原景裕はもう隣にいなかった。
村上念美は少し呆然として、小さな手を隣のベッドに伸ばした。そこにはまだ男性が残したミントの香りがかすかに残っていて、とても良い香りだった。枕はきれいに整えられており、藤原景裕の潔癖な性格にぴったり合っていた。
朝にはまだエッセンシャルオイルの原料供給業者と連絡を取らなければならないことを思い出し、村上念美は急いで起き上がり、バスルームで身支度を整えてから階下に降りた。
村上念美がリビングに着くと、意外にも見慣れた姿を見つけた。