021 隠疾、嘘つき野郎【お気に入り登録お願いします】

村上氏ビルの最上階オフィスにて:

景山瑞樹からのショートメッセージを読み終えた村上念美は少し頭が痛くなった。この景山瑞樹は手ごわい相手だ。男と駆け引きして無傷で逃げ出すのは難しいことだ。

男の行動を見れば、明らかに大きな罠を仕掛けて、自分が飛び込むのを待っているようだ。

アロマオイルはただの口実に過ぎない。

男は明らかに自分に恨みを持っているのに、すぐには手を出さず、自分を一歩一歩追い詰めて、思うがままにしようとしている。村上念美はしばらく考えてから、素早くメッセージを削除し、見なかったふりをした。

時には、適度に知らないふりをするのも必要だ。

相手と確執があるとわかっていながら、ぶりっ子のように近づくわけにはいかないだろう?

……

退社時間になり、村上念美とレイアが村上氏ビルから出ると、景山瑞樹が妖艶で長身の体を派手なスポーツカーに寄りかからせているのが見えた。