南町別荘内:
村上念美は来春さんが前に出て片付けるのを見て、思わず近づいて注意深く見た。ボスはまだ力を尽くして引き裂いており、見るも無残に、布切れになって、散らかり放題で、救出しようとしても無理だった。
藤原景裕は目を細め、村上念美が前に出るのを見て、薄い唇を引き締め、少し不機嫌そうだった。
女性の注意が他の男性に向けられることをあまり好まなかった。
たとえ他の男性からのドレスの贈り物でさえも許せなかった……
……
来春さんは怠ることができず、布切れになったドレスをすばやくゴミ箱に捨て、その後リビングを離れ、ゴミを外のゴミ箱に捨てる準備をした。
来春さんはボスが興奮しすぎて村上念美と藤原景裕の邪魔になることを心配し、ボスを連れて一緒に外に出た。
広々としたリビングには、藤原景裕と村上念美の二人だけだった。