南町別荘:
藤原景裕の言葉は力強く、いつも言ったことは必ず実行する人だった。
熊谷紗奈は少し考えた後、迷いなく口を開いた。
「景裕、一時的に惑わされたのは仕方ないわ。結婚した人でも離婚はできるのよ」
村上念美:「……」
熊谷紗奈の言葉を聞いて、村上念美の心は震えた。
息子に離婚を勧めるなんて、この熊谷紗奈の心は本当に冷酷だ。
藤原景裕は気づかれないように村上念美を自分の後ろに引き寄せ、ゆっくりと言った。
「藤原家の男は代々軍人だ。お母さん、あなたとお父さんも軍婚だった。僕は除隊して実業家になったけど、依然として大崎市軍区の顧問だ。僕と念美も軍婚だ」
「軍婚は法律で保護されている。それを破壊しようとすれば、刑法による厳罰を受けることになる」
息子がこのように反論するとは思わなかった藤原陽は怒り心頭だった。「いいだろう、お前のことにはもう口出ししない……」