041 藤原さん、まだパジャマを着ていません

南町別荘:

藤原景裕の言葉は力強く、いつも言ったことは必ず実行する人だった。

熊谷紗奈は少し考えた後、迷いなく口を開いた。

「景裕、一時的に惑わされたのは仕方ないわ。結婚した人でも離婚はできるのよ」

村上念美:「……」

熊谷紗奈の言葉を聞いて、村上念美の心は震えた。

息子に離婚を勧めるなんて、この熊谷紗奈の心は本当に冷酷だ。

藤原景裕は気づかれないように村上念美を自分の後ろに引き寄せ、ゆっくりと言った。

「藤原家の男は代々軍人だ。お母さん、あなたとお父さんも軍婚だった。僕は除隊して実業家になったけど、依然として大崎市軍区の顧問だ。僕と念美も軍婚だ」

「軍婚は法律で保護されている。それを破壊しようとすれば、刑法による厳罰を受けることになる」

息子がこのように反論するとは思わなかった藤原陽は怒り心頭だった。「いいだろう、お前のことにはもう口出ししない……」

そう言って、藤原陽は立ち去った。熊谷紗奈は心配そうに、目の前の藤原景裕と村上念美を見て、厳しい口調で言った。

「景裕、自分のためにもよく考えなさい……」

藤原陽と熊谷紗奈が怒って去った後、村上念美は心が複雑な思いで一杯になり、ソファに崩れるように座り込んだ。

三年ぶりの再会……

憎しみは薄れていない……

他人のように接することができると思ったけど、自分にはそれができないことに気づいた。

……

来春さんは藤原陽と熊谷紗奈が怒って去るのを見て心配になり、急いで前に出て忠告した。「若旦那様、明日すぐに念美さんを連れて藤原家に謝りに行ってください」

「ご主人様は以前、念美さんをとても可愛がっていましたから、きっと喜んでくださるはず……」

「本当に良かったわね、恋人同士がついに結ばれて。あなたたち二人が結婚したなんて」

「うん、来春さん、早く休んでください」

「はい、わかりました」

……

来春さんが去った後、村上念美は顔を上げて目の前の藤原景裕を見つめ、静かに言った。

「子供のことを話すと思ったわ」

村上念美は藤原景裕の心を探ろうとしていた。子供のことを持ち出せば一挙に解決するのに、なぜ藤原景裕はこの近道を諦めたのか理解できなかった。

「僕も、藤原家も、誰にも脅されない……」

村上念美:「……」

なるほど、そういうことか。