065 男性科に付き添って

何の問題もないのに、村上念美は病院に留められ、一連の検査を受けた後でようやく解放された。

村上念美は病院のロビーに立ち、藤原景裕が退院手続きを済ませて歩み寄ってくるのを見て、口元に微かな笑みを浮かべて言った。

「藤原さん、もしお忙しいなら、先に会社の仕事に行ってください。あとでレイアが私を迎えに来ますから。」

高木凡生はすでに車を病院の入り口に停めていた。藤原景裕は唇を引き締めて言った。「乗りなさい。」

まあ、男性の言葉は断固としていて、彼女の意見を求める意図はなかった。

村上念美は頷き、素直に藤原景裕について車に乗り込み、木村陽太に無事を知らせるメッセージを送り、さらにレイアに会社の近況を尋ねるメッセージも送った。

思えば...昨日、藤原景裕が工商局の人々を取り締まってくれてから、村上氏の事業は順調に進んでいた。

村上念美はしばらく考えた後、思わず尋ねた。「藤原さん、工商局に圧力をかけて村上氏の件を取り合わないようにした背後の人物を調べる方法はありますか...」

藤原景裕は表情を変えず、村上念美の言葉を聞いて鷹のような目を少し顰めた。

「村上氏が誰を怒らせたのか、あなたが私より詳しいはずでしょう?」

この問題は知らぬ間に村上念美に投げ返された。確かにその通りだが...

村上念美は主に熊谷紗奈の疑いを排除し、残るは藤原陽とお爺さんだけだった。

この二人はあまり可能性がないが...

村上念美は今、頭の糸口がつかめなかった。

...

藤原景裕は村上念美を直接会社まで送り、その後、高木凡生が車を走らせて去っていった。

村上念美は藤原景裕の心中を密かに推し量った。昨夜から、男性の感情の波は見られなかった...

実際、子供は彼ら二人にとってまだ贅沢品だった。

結局、二人とも親になる準備ができていなかった。

そうであっても、村上念美の心の底には非常に申し訳ない気持ちがあった。

どんな理由があっても、欺くことは間違っている。

明らかに自分と藤原景裕は結婚して二ヶ月以上経っているのに、村上念美はずっと二人が親密な関係を持つ他人同士にすぎないと感じていた。

...

村上念美が会社に着くと、来春さんが体を補うための鶏スープを持ってきて、村上念美にゆっくり休むように、仕事に忙しくしないようにと言い聞かせた。