087 彼に行ってほしくない、彼に付き添ってほしい【初回購入お願いします】_8

「はい、お約束します。」

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昼食を終えた後、村上念美は運転手に景山大旦那様を直接景山家まで送らせた。会社に戻ると、公務に取り組む気力がなく、レイアがクリスマスに関する村上氏の企画書を持ってきたので、念美はざっと目を通してから、レイアに直接進めるよう指示した。

今や自分が香水部門の責任者代理となり、確かに、重心ができたことで結束力も大幅に強まっていた。

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退社時間が近づいた頃、念美は木村陽太からの電話を受けた。

村上念美は口元に笑みを浮かべた。木村陽太とは長い間連絡を取らなくても、お互いを気にかけ合う関係だった。

シアトルにいた頃から、二人の付き合い方はそうだった...

自分は学校に通い、木村陽太は会社を経営し...普段はめったに一緒にいることはなかったが、会えば、お互いの表情や態度から、相手の調子を暗黙のうちに理解していた。