「はい、お約束します。」
...
昼食を終えた後、村上念美は運転手に景山大旦那様を直接景山家まで送らせた。会社に戻ると、公務に取り組む気力がなく、レイアがクリスマスに関する村上氏の企画書を持ってきたので、念美はざっと目を通してから、レイアに直接進めるよう指示した。
今や自分が香水部門の責任者代理となり、確かに、重心ができたことで結束力も大幅に強まっていた。
...
退社時間が近づいた頃、念美は木村陽太からの電話を受けた。
村上念美は口元に笑みを浮かべた。木村陽太とは長い間連絡を取らなくても、お互いを気にかけ合う関係だった。
シアトルにいた頃から、二人の付き合い方はそうだった...
自分は学校に通い、木村陽太は会社を経営し...普段はめったに一緒にいることはなかったが、会えば、お互いの表情や態度から、相手の調子を暗黙のうちに理解していた。
「木村陽太兄さん...」
「最近どう?」
「まあまあよ。村上氏の月々の赤字が少なくなってきてるの。いいことよね?」
「ふふ...」
木村陽太の楽しそうな笑い声を聞いて、念美の気分も明るくなった。
「いいことだよ、少なくとも進歩している。」
「うん、私もそう思う。あと半年もすれば、村上氏も徐々に回復してくるはず。」
そう言って、念美は木村陽太の状況について尋ねた。
「木村陽太兄さん、あなたは...新しい会社はどう?」
「安定してるよ。最近は工場用の良い土地を探しているところだ。」
「偶然ね、私も同じよ。最近、エッセンシャルオイル専用の良い土地を探してるの。」
村上氏は佐々木家とのエッセンシャルオイルの協力を拒否したが、景山瑞樹から提供されるオイルだけに頼るわけにもいかない。根本的な問題解決が重要だった。
「ああ、クリスマスの頃に大崎市で土地オークションが開かれるって聞いたよ。その時に一緒に見に行かないか。」
「いいわ。」
クリスマスの話題が出て、念美の心は隠しきれない寂しさを感じた。
木村陽太は電話の向こうの女性の感情の変化を聞き取り、優しく尋ねた。「どうしたの?」
「クリスマスイブに彼はフランスに出張に行くから、今年のクリスマスも私一人になりそう。」
念美は率直に言った。木村陽太の前では何も隠さなかった。
木村陽太はそれを聞いて、長い間黙っていた。