089 真の夫婦【購読お願い】_6

人工降雪？

村上念美は口元を引き締め、藤原景裕の驚きのない表情を見て、思わず驚いて言った。「どうして人工的に雪を降らせるの？」

藤原景裕は優雅に目の前のお粥を飲み、唇を引き締めて言った。「来年の収穫を良くするためだよ。雪が降れば、多くの害虫を駆除できる」

村上念美は頷いた。なるほど。

でも雪を見るのは本当にとてもロマンチックなことだな。

藤原景裕は村上念美が頷く様子を見て、口角を上げた。

実際は...純粋に私心もあるかもしれない。そばにいる彼女が雪を見るのが好きだから。

...

朝食を終えると、村上念美は藤原景裕と一緒に林の中を散歩した。

村上念美は全身を厚手のダウンジャケットで包み、手のひらほどの小さな顔だけを出していた。雪道は滑りやすく、藤原景裕は手を上げて村上念美の腕をつかみ、彼女が転ばないようにした。

「どうして森の中にこんな別荘を建てようと思ったの？」

「休暇用だよ...」

実際は、村上念美が好きだから、ずっとこの別荘を彼女にプレゼントしたいと思っていた。

ただ...3年前は、自分の力がまだ十分ではなかった。

自分の力が十分になり、この別荘を建て終えた時、村上念美はシアトルにいた。

これも彼女へのプレゼントだ。

「家はお前の名義になっている」

村上念美は足で雪と戯れていたが、男の言葉に瞳を見開いた。

どういう意味？

「藤原景裕、冗談でしょ？」

「冗談じゃない。2年前、この別荘の土地を購入した時、この山林全体の土地使用権も一緒に買って、お前の名義にしておいた」

村上念美：「...」

とても驚いた。

村上念美は思わず唾を飲み込み、唇を引き締めて言った。「それじゃあ東区の土地と合わせると、かなりの量になるわね...私は大家さんってこと？」

「もしそうしたいなら、いいよ」

明らかに...冗談のつもりだったのに、藤原景裕は真剣に言った。

村上念美は少し感動した。彼は...2年前、自分がシアトルにいる間にも、すでに自分のために財産を購入していたのだ。

彼はいったい、自分が知らないどんなことをしてきたのだろう？

「うん、ありがとう...景裕兄さん...」

「景裕兄さん」という一言で、時間が一気に3年前に戻ったかのようだった。

藤原景裕は目の前の雪の中で頬を赤く染めた村上念美を見つめ、喉仏が少し動いた。