景山大旦那様は村上念美を特に可愛がっていたため、遠回しな言い方をせず、直接自分の好意を表しました。
念美はそれを聞いて、軽く笑いました。「私は大丈夫です...ご心配なく。」
「大丈夫ならいい...人が無事なら何よりだ。」
景山大旦那様は感慨深げでした。この間の熊谷紗奈の件、そして昔熊谷紗奈がしたことについて、藤原大旦那様から全て聞いていました。
まさかあんな裏事情や言いづらい事情があったとは、思いもよらなかったのです。
今思えば、この村上念美は本当に大変な思いをしてきたのだなと。
景山大旦那様はますます念美を気の毒に思いました。
「お前は...苦労したな。死の淵から生還した者は、この先どんな大災難も恐れることはない。それに、この世は公平なものだ。お前は、これからきっと大きな幸せを享受するだろう。」