「景山様、ありがとうございます。」
相馬紗奈は満足げに唇の端を上げ、小切手に書かれた六桁の数字を見て、密かに感嘆した。この景山様は本当に太っ腹だ。
なんて魅力的なんだろう...
ツツツ。
最初はただこの男性が見た目がいいだけだと思っていたけど、今は...超魅力的だわ。
「ええ、では失礼します。」
景山瑞樹は景山大旦那様が自分を呼んでいるのを見て、素早く景山大旦那様のいる方向へ歩いていった。
...
景山瑞樹が去った後、相馬紗奈はバッグから既に用意していた赤い封筒を取り出し、小切手をその中に入れた。
赤い封筒の中には、景山瑞樹が今渡した小切手の他に、相馬紗奈自身が用意した小切手もあった。
「ほら...あなたへの...婚約おめでとう。」
木村陽太の黒い瞳が驚いたのを見て、相馬紗奈は口角を上げた。