たった3年前、自分がまさに笹木愉伊の居場所を突き止めようとしていた時に...事件が起きた。
村上佑城は知っていた、藤原景裕が自分を追い出したのは、一方では村上念美のためであり...もう一方では笹木愉伊のためでもあった。
彼は知っていた、自分がひとたび笹木愉伊を見つけたら、彼女の日々は決して平穏ではなくなるだろうと。
藤原景裕:「...」
藤原景裕の瞳は冷たく、人を威圧する冷光を放っていた。
「村上佑城、お前は元々こんな人間ではなかった」
当初?
村上佑城はまるで天大の冗談を聞いたかのようだった。
「それはお前たちが俺を見捨てたからだ...最初は俺が退役を装って潜入捜査をすると約束したのに、結果はどうだ?俺はお前たちに完全に見捨てられた...麻薬に手を染め、人を殺し、両手は血まみれになった。もう二度と潔白には戻れない。あの弱肉強食の環境の中で、俺は自分の手で血の道を切り開くしかなかった...頂点に立つしかなかった...」
結局...殺されるか、殺すかだった。
村上佑城に選択肢はなかった...武器商人の王座に座るしかなかった。
「そして...お前たちは何をした?笹木愉伊を送り込んで俺を暗殺させようとした...美人計?はっ...あの女は機密を盗んで逃げ出し、俺の兄弟を惨殺させた。今度は彼女と笹木静香、そしてお前たち全員に代償を払わせる。どうだ...やりすぎか?」
藤原景裕:「...」
藤原景裕の瞳は暗くなった。
もしこの理由がなければ、とっくに村上佑城を生かしておかなかっただろう。
彼が犯した罪は、自分がいた頃にすでに彼を始末できるほどのものだった。
結局...手が下せなかった。
村上佑城の不運は、上層部の判断ミスだった。
同時に、危険と隣り合わせにいれば、無傷ではいられない。
麻薬王の側で潜伏し、相手の信頼を得るためには、時に身を任せるしかない。
これまで多くの潜入捜査官が、全て良い結末を迎えられなかった。
たとえ任務を完了して戻ってきても、実際には荒んだ心と血なまぐさい過去を持ち、もはや元の世界に馴染めなくなっていた。
だから、潜入捜査は容易ではない。
...
藤原景裕は薄い唇を引き締め、黒い瞳に暗い光が走り、少し迷いがあるように見えた。