この投稿が発表されるや否や、ネットは瞬く間に炎上し、コメント欄は人だかりで埋め尽くされた——
【うわっ、あのクソ女、マジで性根腐ってんな!赤ちゃんが奇形で生まれろとか、レイプさせるとか、どこの人間の言うことだよ!】
【こんな外道、マジでぶっ殺されて当然だろ!とにかく俺は田中沙沙を全力で支持する!もし当時俺がその場にいたら、絶対に田中沙沙よりももっと酷くしてやるよ。バラバラに引き裂いてやりたいくらい!】
【あの女、知ってる。私のクラスメイトで、名前は青木朝音っていうの。普段から男好きの馬鹿で、イケメンを毎日誘惑してる。権州工業専門学校に通ってる。話題が消される前に拡散して。詳細は私にDMしてね。】
【なんでこのクソ女まだ捕まってないの?お願いだから警察は傷害罪で逮捕して!!】
【こんな毒婦の個人情報と住所、早く晒してくれよ!ネズミの死骸と葬式用の花輪を送りつけてやる!浮浪者に頼んでヤラせてやりたい!】
【男を見ると発情する女っているよね。とにかく寝たがるタイプ。自分の体が腐るのを恐れてるのか知らないけど、こういうのは池袋のゴミ焼却場で処分すべきだわ】
【紗紗、落ち込まないで。体を大事にして。こんな悪女は天罰が下るから、必ず正義を取り戻してあげるわ!】
トレンドはあっという間に上昇し、瞬く間に一位になった。お爺さんはランキングから削除させようとお金を払おうとしたが、青木朝音に止められた。
——冗談じゃない、まだお仕置きは始まったばかりなんだから、今さら引き下がれるわけがない。次はもっと衝撃的な暴露が控えている。さあ、見届けてちょうだい!
だが、そのわずか数時間後、あの話題は何の前触れもなくひっそりと削除された……
*
市民病院。
田中沙沙は人工中絶を終えたばかりで、顔色はあまり良くなかったが、気分は上々だった。ベッドに横たわりながら、得意げにツイッターをスクロールしていた。
コメント欄には彼女を支持し、青木朝音を罵倒する声が溢れている。どれも酷すぎて目を背けたくなるような言葉ばかり。
現時点で既に100万人以上のフォロワーがおり、まだ増え続けている。これは彼女の虚栄心をかつてないほど満たしていた。
このままいけば、彼女はデビューして芸能人になれるかもしれない。
しかし、あのことを思い出すと……彼女はまた不安になり始めた。
「ねえ、本当に問題ないのよね?」
田中沙沙はベッドから身を起こし、ベッドの端に座っている吉田択哉を見たが、彼の表情がどこか奇妙なことに気づいた。
「お前らがあの女を殴っていた時、周りに撮影している人がいたのか?この動画は一体誰が撮ったんだ?」
吉田択哉は、青木朝音が暴行される映像をスマホで繰り返し再生していた。なぜか胸騒ぎが止まらない。
「たぶん通行人が撮ったんじゃない?何か問題があるの?」
「いや……アングル的に監視カメラっぽいんだけど、画質がやけに良すぎる。それに、編集された痕跡もある……おかしいな。監視映像は全部消したはずなんだが……」
吉田択哉にはプログラマーの友人がいて、とっくに彼らに不利なすべての監視カメラの映像を消去させ、青木朝音が殴りかかってくる部分だけを残していた。
それなのに、こんな鮮明な動画が出てくるなんて、不気味としか言いようがない。
彼は今、これ以上、余計な映像が出てこないよう祈るばかりだ。さもなければ、すべてが水の泡になってしまう。
「ねえ、もうさっさと報酬の残りをあの人に払わせた方がいいんじゃない?グズグズしてるとまた何かあるかもよ。踏み倒されたらどうするの?」
「明日振り込むって言ってたじゃないか、もう少し待とう。大丈夫だよ」
「……ならいいけど。お願いだから、もうこれ以上トラブルはやめてよね」
田中沙沙はまたベッドに横になり、増え続けるフォロワー数を見ながら、思わず口角が上がった。
うーん、注目されるって気分いいわ。
しかし、その幸せな時間は長くは続かなかった。
先ほどと同じツイッターのアカウントから、新たな動画が投稿された。今回はさらに衝撃的で、ネットユーザーたちは皆唖然とした!
田中沙沙と吉田択哉も呆然としていた。
次の瞬間、田中沙沙の怒号が病棟全体に響き渡った——
「吉!田!択!哉!説明しなさいよ!これはいったいどういうこと!あの女が誘惑してきたって言ったんじゃなかったの?!」