第15章 不良少年を懲らしめる（2）

青木朝音は今日学校に行かなかった。どうせおじいさんが彼女のために休みを取ってくれていた。

彼女は昨日青木誠司をいじめていた不良少年たちを探し出し、あっという間に彼らを半殺しにした。

その後、彼女はグループのリーダーである黄田強志の襟首をつかみ、何の苦労もなく彼を引きずって権州第一高校の近くの人気のない路地に連れて行った。

昼になり学生たちが昼食のために下校する時間に、青木朝音は青木誠司にメッセージを送り、彼を呼び出した。

青木誠司はもちろん来たくなかったが、青木朝音は電話で彼を脅した。もし大人しく来なければ、彼が早くから恋愛していることをおじいさんと父親に告げると。

仕方なく、青木誠司は憤慨しながら駆けつけた。遠くからでも彼の文句を言う声が聞こえた。「頭おかしいのか、なんで俺を呼び出すんだよ！」

この時、青木朝音は黒いキャップを被り、つばを低く押さえ、無表情で軽々しい視線を青木誠司に向けた。それだけで人に恐怖を感じさせた。

青木誠司は一瞬怯んだが、本能的にまた罵ろうとした。しかし、彼の視線が偶然、死んだ犬のように地面に伏せている黄田強志に向けられ、驚いて目を見開いた。

「黄田強志？」

彼は最近黄田強志と喧嘩したばかりだったので、当然彼を認識していた。すぐに袖をまくり上げ、凶暴な顔つきで駆け寄り、一蹴りを食らわせた。

「てめえも今日という日があるんだな、昨日はオレをぶん殴って気持ちよかったか、今こそ俺が仕返しする番だ！」

黄田強志は彼に蹴られて悲鳴を上げ続け、涙と鼻水を流した。最終的には青木朝音が彼を止めた。

「もういい、手を止めて。」

「まだ気が済んでねえよ…」

青木誠司が熱心に殴っていると、突然何かを思い出したように拳と足を止め、信じられないという表情で青木朝音を見た。まるで彼女を認識できないかのようだった。

「まさか、こいつをお前が捕まえてきたとか言わないよな？」

「そうじゃなかったら何？」青木朝音は笑うでもなく笑わないでもなく、腕を組んで彼を見下ろしながら反問した。

青木誠司の目は突然大きく見開かれ、今度は幽霊でも見たかのように呟いた：

「ありえない、お前のようなガリガリが黄田強志のような大男を捕まえられるわけがない。それに彼の周りには何人も子分がいたはずだろ。」

彼自身、数年間テコンドーを習っていても黄田強志の相手ではなかったし、昨日あんなにひどく殴られなかったはずだ。

ましてや青木朝音のような弱虫は、いつも弱い者に強く、強い者には弱い、臆病な奴だ！

彼がいじめられるのを見るたびに、ウサギよりも早く逃げ出し、彼を助けるどころか、黄田強志の相手になるはずがない。

しかし今、奇妙なことに、黄田強志は明らかに誰かに半殺しにされた後、連れてこられたのだが、彼はこれが青木朝音の仕業だとは絶対に信じなかった。

「たいしたことなかった、全員私がやっつけた。」事実を述べるような口調。

青木誠司はますます信じられなくなり、目を回して言った。「嘘つけよ、お前が全員やっつけたって。」

青木朝音は彼が信じないだろうと予想していたので、実際の行動で証明するしかなかった。

だるそうな足取りで歩み寄り、一歩で黄田強志の頭を踏みつけ、さらに彼の後ろの襟首をつかみ、無理やり地面から小さな鶏のように持ち上げた。

「彼に謝れ。」

彼女は黄田強志の顔が青木誠司の方を向くようにし、声は確かに冷淡で、さらには無関心にさえ聞こえた。

しかし彼女の現在の粗暴な行動と組み合わせると、その傲慢さは人を怒らせるほどで、少しの反抗も許さなかった。

「くそっ！」

黄田強志は顔中青あざだらけで、口の端からは血が流れていたが、人はまだかなり強気で、歯を食いしばり、目が充血するほど憎んでいたが、決して頭を下げようとはしなかった。

「誰に向かって言ってるの？」

青木朝音は突然彼をきつくつかみ、壁に押し付け、さらに足を上げて彼の下腹部の間の位置に強く蹴りを入れた…

目もまばたきせず、的確に、非常に冷酷で、素早く容赦なかった。

「もう一度言って、誰に向かって言ってるの？」

この時の青木朝音は以前の怠惰な態度を一変させ、全身から冷たい殺気が漂っているようで、眉を軽く上げ、目尻が赤く、軽い口調はまるで相談しているかのようだった。