第32章 青木朝音の過保護な癖が出た(2)

青木朝音は老人の家で夕食を共にした後、帰り道で偶然見覚えのある人影を見かけ、純粋な好奇心から、その人物を追いかけて地下格闘場にたどり着いた。

中に入ると、人々の声が轟き、掛け声が飛び交っていた。

「殴れ、早く殴れ!」

賭けをした人々は皆、非常に興奮し高揚していた。当然、自分が賭けた方が勝つことを願っていた。さもなければ、全財産を失うことになるのだから。

この場所での格闘では、ボクシンググローブを着用する必要はなく、また何の防護措置もない。相手を成功裏に倒し、10秒のカウントダウン後も動けなければ、あなたの勝ちだ。

ここにはいわゆるルールはなく、硬い拳と真の武術で語るのみ!

そのため、通常の状況では、多くの格闘家が命を落とすか、あるいは障害を負うことになる。手足の骨折は日常茶飯事だった。