第37章 学校でのいじめ(1)

この二日間、北川信望は夜更かしして作詞作曲をしていた。ある方が時々電話をかけてきて催促する。「できたか?」

北川信望は不思議に思った。これまで彼が作詞作曲をしているとき、あの方がこんなに気にかけることはなかったし、彼の歌さえほとんど聴いたことがないようだった。

「そう簡単にはいかないよ。まだまだかかるよ。」

北川信望はスピーカーフォンを押し、疲れた様子で眉間をつまんだ。目の周りのクマはひどく、足元には丸めて捨てられた紙くずが山のように積もっていた。

「ねえ松陰様、あんたはそんなに母...あの子に会いたいの?彼女とデートしたいなら、直接電話すればいいじゃん。契約書に彼女の電話番号が残ってるんだから。」

北川信望は太陽が西から昇ったような気がした。以前は古川松陰がどの女の子にもこれほど熱心だったことはなかった。おそらく彼が関心を持っているのは...あの美しい手だけかもしれない?

「いきなり電話するのはよくない。早く仕上げろ。最大でもあと3日しか時間をやらん。」

強い口調で、反論の余地なく言い終えると、向こうは電話を切った。

北川信望は目を回して、つぶやいた。「お前は俺のボスじゃないのに、よく命令できるな。それに、あれは俺の母上大人だぞ。会わせるかどうかは、俺の気分次第だ。」

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職業高校の近く。

「くそっ、金はどこだ?持ってないなんて言うのか?」

いかにも不良っぽい格好をした男子生徒数人と女子生徒2、3人が、太った少女を壁際に追い詰めていた。彼女の身体から金を見つけられなかったため、彼らは拳や足で彼女を激しく殴り始めた。

太った少女は必死に頭を抱え、弱々しく無力な様子で隅に縮こまり、彼らの残酷な暴力を受けながらも、歯を食いしばって声を出さないようにしていた。

「寮に金を隠してるんじゃないか?後で彼女の寮を探しに行け。くそっ、金が見つからなかったら、今後会うたびに殴ってやる。」暴行の後、一団は大きな態度で立ち去った。

そのとき、ちょうど一人の影が通りかかった。彼女は眉をひそめ、最終的には地面に倒れている瀕死の太った少女に向かって歩いていった。

見下ろすように彼女を見て、冷静な声で尋ねた。「助けが必要?」

太った少女はパニックになったように見え、恥ずかしさを感じているようだった。