第42章 一人のゴミ、一人の天才

彼女が一中から退学させられたことがなかったとしても、こんな落ちこぼれのバカ学生を、どんなバカな学校が受け入れるというのよ。

土屋紫江の声が一番大きかった。「校長先生、聞いてください。こんな嘘つきを誰が欲しがるというのですか。一中に転校だって?笑わせるわね。これは今年聞いた中で最も面白いジョークだわ」

「そうよね、青木家からどうしてこんな人が出てきたのかしら。私が知っているのは青木家の青木愛茉こそが本当の秀才よ。毎回のテストで学年でトップクラスなのに。一人はダメダメ、もう一人は天才、その差は本当に大きいわね」

校長の顔色もあまり良くなかった。青木朝音が一中に転校するためにまた問題を起こすのではないかと心配し、急いで青木のお爺様に電話をかけて注意を促した。

その時、青木のお爺様は自宅の裏庭でくつろいで椅子に座り、スマホを持ってゲームをしていた。

「おいおい、高台を守れよバカ野郎、お前はプレイできないのか、いつまでも成長待ちか」

「お前はバカ豚か、チームを引っ張れないし、必殺技も外すし、ふん…」

'You-have-been-slain'

お爺様の英雄・李白が殺されて、激怒していたところに電話がかかってきて、さらに怒りが爆発し、荒々しく電話に出た。

職業高校の山田校長だと分かると、怒りの表情はすぐに消え、にこにこ笑い始めた。事情を聞いても、お爺様は怒らず、ただ少し好奇心を持った。

そして電話を切った後、すぐに青木朝音にメッセージを送り、放課後に来るように言った。

青木朝音は孝行者で、来る途中に料理しゅう亭に立ち寄り、お爺様の好きな焼き鵞鳥を買い、ついでに江小白の酒を2本買った。

実はお爺様は茅台酒が好きだったが、本物の茅台は少し高くて、彼女はまだ買えなかった。

結局、彼女はもうお爺様からのお金を使うつもりはなかったからだ。

「お爺様」

青木朝音は広々とした庭に来て、手に持っていたものをお爺様の隣の石のテーブルに置き、石の椅子に座った。

「おや、焼き鵞鳥か」

お爺様は元気を取り戻し、すぐに体を起こして袖をまくり上げて食べ始めた。その食べ方はまるで老いた子供のようで、食べながら頭を振りながら「うまい、うまい、本当にうまい」と言った。

「江小白?私はこの酒は飲まないよ」お爺様は江小白を手に取って見て、少し嫌そうに元の場所に戻した。