第42章 一人のゴミ、一人の天才

彼女が一中から退学させられたことがなかったとしても、こんな落ちこぼれのバカ学生を、どんなバカな学校が受け入れるというのよ。

土屋紫江の声が一番大きかった。「校長先生、聞いてください。こんな嘘つきを誰が欲しがるというのですか。一中に転校だって?笑わせるわね。これは今年聞いた中で最も面白いジョークだわ」

「そうよね、青木家からどうしてこんな人が出てきたのかしら。私が知っているのは青木家の青木愛茉こそが本当の秀才よ。毎回のテストで学年でトップクラスなのに。一人はダメダメ、もう一人は天才、その差は本当に大きいわね」

校長の顔色もあまり良くなかった。青木朝音が一中に転校するためにまた問題を起こすのではないかと心配し、急いで青木のお爺様に電話をかけて注意を促した。

その時、青木のお爺様は自宅の裏庭でくつろいで椅子に座り、スマホを持ってゲームをしていた。