レストランは笑い声に包まれていたが、リビングのソファに座っていた青木朝音は、退屈そうにお菓子を食べながら、スマホで囲碁の対戦ゲームをしていた。
彼女は青木愛茉の料理を嫌っているわけではなかったが、正直に言えば、その味は大したことなかった!
結局のところ、かつて星間料理人だった彼女と比べれば、青木愛茉の腕前は最低レベルに属するものだった。
そのレベルの料理なら、当時なら路上の野良犬さえ見向きもしなかっただろう。
その一方で、本家では。
青木のお爺様は今日、ゲームで一日中ボコボコにされ、夕食を食べる気分にもなれなかった。さっき青木誠司から電話があり、食事に来るよう誘われた。青木愛茉が自ら腕を振るった料理で、超絶美味しいとのことだった。
青木のお爺様は気分が悪いところに、その継娘の青木愛茉が作った料理だと聞いて、考えるまでもなく断った。
冗談じゃない、私の実の孫娘が作った料理でもないのに、鬼才だって興味ないよ。
「ふん、囲碁でもやるか。私も誰かをボコボコにしてやる!」
お爺様は考えた。王者栄耀でボコボコにされたなら、囲碁で誰かをボコボコにすれば、少しは心の慰めになるだろう。
しかし思いがけないことに、彼は超一流の高手に出会ってしまった。
彼よりも百倍も強い高手に!
それはどんなレベルなのか?
「なんだこれは、どういうことだ?」
お爺様は人生を疑い始め、椅子から飛び上がった。
彼もそれなりの囲碁の高手で、いつも対戦相手は初心者ばかりで、いつも彼が相手をボコボコにしていたのに、今や完全に打ちのめされていた。
恐ろしいことに、彼はすでに五連敗していた。
「まさか厳谷のじじいじゃないだろうな?くそ!正体を隠して私をいじめるとは、許せん!」
厳谷お爺さんは権州囲碁クラブの会長で、その技量は言うまでもない。彼に五連勝できるのは、おそらく厳谷のじじいしかいないだろう。
【お前は厳谷のじじいか?】お爺様は相手にチャットを送った。
【?】相手はクエスチョンマークを返してきた。
【とぼけるな、お前が厳谷のじじいだってわかってるぞ。正体を隠して私をいじめて楽しいか?】
お爺様は怒りに震えていたが、向こう側の人は今、困惑した顔をしていた。そしてその人は他でもない、彼の大切な孫娘だった。