夜の10時、青木朝音が寝ようとしていた時、携帯が鳴った。
井上九:【うわっ、本当にお前なのか?朝音ちゃん、本当にお前?本当に戻ってきたのか?なんてこった、夢を見てるのかと思った。】
青木朝音:【……?今頃気づいたの?】
井上九:【ごめん、俺は反応が遅くて、ずっと夢を見てるのかと思ってた。まさかお前が本当に現れるなんて。この3年間、ろくに食べられず、ろくに眠れず、お前のことを考えすぎて頭がおかしくなりそうで……】
青木朝音:【ストップ!感傷的な話はもういいから、今ちょっと手伝ってほしいことがあるの。】
井上九:【何?】
青木朝音:【今週の日曜日に全国高校生数学コンテストが私たちの市で開催されるって聞いたんだけど、参加カードを一枚手に入れて送ってくれない?】
井上九:【そんな簡単なこと?もっと大変なことかと思った。こんなに久しぶりなのに、俺のこと恋しくないの?】