第70章 数学界を震撼させる

「そうですね、この問題解決のテクニックは私も初めて見ました。こんなに素晴らしい解法、今日は本当に勉強になりました」

「あれ、おかしいな。試験時間はまだ半分しか経っていないのに、彼女はどうしてこんなに早く答案を提出したんだろう?」

上野先生は恥ずかしそうに言った。「ああ、最初は適当に記入しているだけだと思ったんです。問題を解くスピードが信じられないほど速くて、私はこれまでの人生でそんなに速い速度を見たことがありませんでした。それで彼女のところに行って叱ってしまったんですが、今考えると恥ずかしい限りです...」

重要なのは、そんなに速いスピードで、しかも全問正解するなんて、これはまだ人間なのだろうか?

「あれ、職業高校の生徒なの?記入ミスじゃないよね?」

「名前を見てみよう、魔王あさね?こんな名前の生徒がいるのか?」

その瞬間、皆はますます人生に疑問を抱き始めた。

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青木朝音はとっくに帰ってしまっており、上野先生たちが彼女の答案用紙を熱心に研究していることも、その答案用紙がすぐに教育界全体を震撼させることになるとも知らなかった!

月曜日の朝、青木朝音が学校に入るとすぐに土屋紫江に出くわし、またしても冷やかしを受けた。「おや、まだ職業高校に来てるの?一中に転校するって言ってなかった?」

隣にいた教師も同調して言った。「彼女はただの自慢話をしていただけでしょう。本当に転校できるわけないじゃない。一中はスーパーマーケットじゃないんだから」

「私が一番嫌いなのは、こういう大口を叩く生徒よ。何の取り柄もないくせに、大言壮語する。こういう人間は苦い経験をさせないと、一生懸命学ぶことはないわ」と土屋紫江は悪意のある声で言った。

青木朝音は怒る様子もなく、ただ冷たい目で見つめて言った。「先生方にご心配いただかなくても大丈夫です。三日以内に一中に転校します。その後は私のことを懐かしがらないでくださいね」

「ふん、頭がおかしいんじゃない」

土屋紫江ともう一人の教師は揃って白い目を向け、さらに皮肉を言おうとしたが、青木朝音はすでに二人を避けて教室棟へ向かって歩き去っていた。

彼女の去っていく姿を見つめながら、土屋紫江は唾を吐いて言った。「こんな生徒が自分のクラスにいなくて良かった。そうでなければ本当に八代前からの悪い因果だわ」